遺言書には自分の財産のどれを誰に相続させるかという財産の分け方を書くのですが,それ以外の事項でも,法律により効力が認められているものがあります。これを遺言事項と言います。
遺言事項は,主に相続に関する事項,身分に関する事項,財産の処分に関する事項,その他の事項の4つに大別されます。それぞれの事項について,具体的には以下のようなものがあります。
① 相続に関する事項について
- 相続人の廃除・廃除の取消(民法893条,894条)
- 相続分の指定・指定の委託(902条)
- 遺産分割方法の指定・指定の委託(908条)
- 5年以内の遺産分割の禁止(908条)
- 特別受益の持ち戻しの免除(903条3項)
- 相続人間の担保責任の定め(914条)
- 遺言執行者の指定・指定の委託(1006条,1016~1018条)
② 身分に関する事項
- 子の認知(781条2項)
- 未成年の子の後見人の指定および後見監督人の指定(839条,848条)
③ 財産の処分に関する事項
- 遺贈(964条)
- 遺贈の減殺の方法(1034条)
- 一般財団法人の設立(一般社団・財団法人法152条2項)
- 信託の設定(信託法3条2項)
④ その他の事項
- 祭祀主宰者の指定(897条1項)
- 遺言の撤回(1022条)主催