ご質問によると,お兄さんに全て遺産を相続させるという遺言の内容に不満があるということですが,あなたは遺留分を有する相続人にあたるので,遺留分減殺の請求をお兄さんにすることによって遺言で侵害されたご自分の相続分を取り戻すことが可能です。
この場合,あなたの有する遺留分は,法定相続分(2分の1)の2分の1ということになります。
遺留分減殺の請求をするには,あなたからお兄さんに対してその旨の意思表示をすれば良いのですが,通常は内容証明郵便などでするのが確実です。
ただし,遺留分減殺請求権は,相続の開始及び遺留分を侵害する贈与・遺贈・遺言の存在を知ったときから1年という短い期間で消滅するので注意が必要です。
お兄さんと話し合っても解決出来ない場合には,家庭裁判所に調停の申立をすることになります。
また,遺言書をお父さんが書いたものか疑問を抱いておられるようですので,遺言書が有効かどうか争うこともできると思われます。
まず,お父さんが認知症を患っていたとのことですので,遺言者に遺言能力がなかったため遺言は無効だと主張して争うことが可能です。ただし,全ての認知症の人が遺言することができないわけではなく,遺言をしたときに遺言の内容を理解できる状態にあればその遺言は有効となります。
さらに,遺言書自体が偽造された可能性があるような場合には,遺言無効を確認する訴訟を提起することもできます。