ご質問のように,被相続人である方が一人暮らしをされ,財産をご自分だけで管理されていたような場合には,相続人が相続財産について把握できていないことから,残された様々な資料を手がかりに相続財産の調査を行うことになります。
調査方法としては,被相続人が自宅などに金庫を置いていたり,銀行などの貸金庫を利用していれば,そこに保管されている書類などを確認します。現金や株券などの有価証券が入っていることもあります。
また,被相続人名義の預金通帳があれば,その出入金の記録から調査ができます。定期預金の存在やその利子が明らかになったり,取引があった証券会社や保険会社からの収受金の記載があれば,その元本となる財産が確認できるでしょう。通帳から借入金などの債務がわかることもあります。
被相続人が日記や手帳を残していれば,その記載から財産を把握できることもあります。
その他に,手紙・はがきや名刺から,不動産関係,銀行,証券会社,保険会社などとの取引があることがうかがわれるようなら,それに関連する財産があるかどうか調査できます。
被相続人の確定申告書も,申告内容が財産確認の有力な資料になります。
更に,相続財産の中で大きな割合を占める不動産については,所有している不動産の登記簿上の地番や家屋番号がわかっているならば,登記事項証明書を取り寄せて確認します。なお,最近はインターネットで登記情報がわかります。
その不動産が被相続人の名義であるかわからないような場合には,当該不動産が存在する市区町村の資産税課(東京都は都税事務所)に申請をして不動産の名寄帳(土地家屋課税台帳,固定資産課税台帳とも言われます)を取り寄せることによってわかることもあります。